HMAのエキスパートレビュー:まとめ
HMA VPNは、業界標準のセキュリティ機能(AES 256ビット暗号化、停止スイッチ、ログなし方針など)を提供しているほか、次のような特長もあります。
- スプリットトンネル
- IPシャッフル
- P2P専用サーバー
- トーア・オーバーVPN
など…
しかし、HMA VPNは業界トップクラスのVPNに及びません。まず、パーフェクトフォワードシークレシーやRAMだけで動作するサーバーなど、高度なセキュリティ機能はありません。また、ストリーミング専用サーバーはありますが、NetflixやHuluなどアクセスできない動画配信サービスが多いのです。ネット規制が厳しい国でも利用できず、料金が高く、カスタマーサポートは最悪でした。
接続台数は10台までで、プランは月払いのほか、複数の年間プランから選ぶことができます。HMA VPNの全プランに30日間返金保証が適用されます。
総合ランキング | 78位中21VPN |
🌍 サーバー数 | 1,000台以上(国内サーバーあり) |
日本語に対応 | ○ |
📱 接続台数 | 10 |
💸 最低価格 | $2.99 / 月 |
🎁 無料プラン | × |
💰 返金保証 | 30日間 |
HMA VPNの完全レビュー
本調査では、数週間かけてHMA VPNを徹底的にテストし、安全性や通信速度、使いやすさなどを評価しました。
HMA VPNは標準的な機能でデータを守り、IPシャッフルなどの追加機能も提供しています。また、トーア・オーバー・VPNに対応しており、主要OS向けの使いやすいアプリが用意されています。サーバーとの距離によらず、通信は安定して速いのが良いでしょう。
しかし、欠点も数多く見つかりました。高度なセキュリティ機能はありませんし、HMA VPNで主要な動画配信サービスを視聴することはできません。さらに、難読化ツールもなく、他社より高価格で、カスタマーサポートは最悪でした。
まとめると、HMA VPNは安全にブラウジングやトレントなどに向いていて、使いやすいサービスですが、欠点が多すぎるので2022年におすすめのVPNとは言えません。
HMA VPNの機能
HMA VPNは標準的なVPNセキュリティ機能を提供しています。
- AES 256ビット暗号化
HMA VPNは銀行レベルの暗号化でネット通信を保護します。 - ログなし方針
HMA VPNのログなし方針は独立監査を受けていますが、監査報告書は公開されていません。 - キルスイッチ
データ漏洩を防ぐために、VPNとの接続が途切れた場合にネット通信が遮断されます(WindowsとmacOSで利用可能)。
アプリのキルスイッチ(App Kill Switch)も気に入りました。VPNとの接続が途絶えた場合、指定したアプリ(トレントクライアントなど)が通信できなくなります。こうすることで、VPNに接続していない状態でトレントするのを防ぐことができ、ほかのオンラインアクティビティには影響しません。アプリのキルスイッチで指定したアプリを開くと、VPNサーバーに自動的に接続されるのは気に入りました。
HMA VPNは2つのVPNプロトコルを使用しています。AndroidとWindowsでは「OpenVPN」、iOSとmacOSでは「IKEv2/IPSec」です。これらのプロトコルはどちらも安全性が高く、通信も速いですが(OpenVPNよりIKEv2/IPSecの方が高速です)、WireGuardも追加してもらいたいですね。WireGuardはセキュリティ対策が優れており、IKEv2/IPSecやOpenVPNより圧倒的に高速です。
HMA VPNはすべてのデバイスでIPv6、DNS、WebRTCの漏洩を防止してくれます。VyprVPNなどトップクラスのVPNでも、IPv6とWebRTCを手動で無効にしなければなりませんが、HMA VPNなら自動的にデータ漏洩を防止できます。
HMA VPNは全サーバーがトーア(Tor:ザ・オニオン・ルーター)に対応しています。無料のトーアブラウザをダウンロードして、VPNサーバーに接続したら、トーアネットワークを閲覧できるわけです。なお、トーアネットワークは比較的安全ですが、誤ってIPアドレスが流出する可能性はゼロではないので対策する必要があります。HMA VPNに接続してトーアネットワークでIPアドレスが流出した場合、公開されるのはHMA VPNのIPアドレスなので、あなたのIPアドレスは漏洩しません。トーア・オーバー・VPN接続では、複数層の暗号化が行われるため、速度が低下する傾向がありますが、HMA VPNではTorサイトが2~3秒で表示されました。HMA VPNでトーアネットワークを閲覧するのは簡単でしたが、ProtonVPNならFirefoxやChromeなど普通のブラウザでもトーアサイトを閲覧できます(トーアブラウザをダウンロードする手間を省けるわけです)。
HMA VPNには、スプリットトンネル、IPシャッフル、IPリフレッシュ、スピードテストツールなどの追加機能もあります。
スプリットトンネル
スプリットトンネルを使うと、どのアプリの通信をVPNトンネルに経由させるか選ぶことができ、それ以外の通信はローカルネットワークで送受信されます。HMA VPNのスプリットトンネルはきちんと動作しますが、Androidでしか利用できません。この機能をテストしたところ、チェコのVPNサーバーに接続した状態でファイルをダウンロードしながら、普段のネットワークでYouTubeを視聴できました。速度が低下することなく、安全かつ高速でファイルをダウンロードしながら動画を視聴できました。
HMA VPNのスプリットトンネルでは、アプリとブラウザの通信を分割できますが、ExpressVPNやCyberGhost VPNではアプリの通信しか分割できません。一方、ProtonVPNやPrivate Internet AccessならIPアドレスを指定できるのが素晴らしいでしょう。ブラウザ単位ではなく、サイト単位でVPNに経由させるか選ぶことができます。
まとめると、HMA VPNのスプリットトンネルは便利ですが、Androidでしか利用できません。今後はWindowsアプリでもこの機能を期待したいですね。なお、macOSとiOSでスプリットトンネルが使えるVPNサービスはほとんどありません。HMA VPNのスプリットトンネルはきちんと動作し、バグはありません。とても使いやすいと思いました。
IPシャッフル
HMA VPNのIPシャッフル機能とは、VPNセッション中にIPアドレスを変更する頻度を選べる珍しい機能です。IPシャッフルでは、現在接続しているサーバーと同じ場所(国と都市)のIPアドレスが割り当てられます。
設定をとても柔軟に変えられるのが気に入りました。頻度は5種類から選べるほか(30分、1時間、6時間、12時間、毎日)、手入力することもできます。他人に現在地を特定されにくくなり、セキュリティ強化策として有用です。IPシャッフルはiOS、Android、Windows、macOSで利用できます。
HMA VPNは「IPシャッフルを利用する際は、通信の漏洩を防ぐため、キルスイッチを有効にしてください」と推奨しています。IPアドレスが切り替わるときにVPNサーバーとの接続が数秒間途絶えるからです。
まとめると、HMA VPNのIPシャッフル機能を使うと、一定時間おきにVPNのIPアドレスを変えることができ、他人にIPアドレスを監視されにくくなります。
IPリフレッシュ
HMA VPNのIPリフレッシュとは、ワンクリックでVPNのIPアドレスを更新する機能で、VPNサーバーに再接続せずに新しいIPアドレスを取得できます。IPリフレッシュはiOS、Android、Windows、macOSで利用できます。
この機能で人気動画配信サービスの検出を避けられるか、NetflixやAmazonプライムビデオで試してみました。
残念ながら、HMA VPNのIPリフレッシュ機能はあまり役立ちませんでした。IPアドレスを10回更新したのですが、動画配信サイトにアクセスできなかったのです。VyprVPNのカメレオン・プロトコルはIPリフレッシュと似た機能で、VPNセッション中にIPアドレスを自動的に更新できます。VyprVPNなら、Disney+を除くほとんどの動画サイトにアクセスできますから、HMA VPNより便利です。
まとめると、HMA VPNのIPリフレッシュ機能は便利ですが、効果的ではありません。
スピードテスト機能を搭載
HMA VPNはスピードテストツールを搭載しており、場所を指定して最速のサーバーを見つけることができますが、実際より速い速度が表示されます。サードパーティのスピードテストツール(Ookla)と結果を比べたところ、HMA VPNのスピードテストは正確ではありませんでした。HMA VPNでスピードテストを行ったところ、最速なのは国内サーバー(ルーマニア)ではなくオーストリアのサーバー(200Mb/s)だと表示されました。しかし、Ookla Speedtestでオーストリアのサーバーを試したところ、ルーマニアのサーバーより31%も遅いことが分かったのです。
ExpressVPNに搭載されているスピードテストはとても正確で、現在地をもとに最速のサーバーを表示してくれます。ExpressVPNのスピードテストツールで速度を何度か測定したのですが、ダウンロード速度はOoklaの結果とほぼ同じでした。
まとめると、HMA VPNに内蔵されているスピードテストツールは便利で使いやすいですが、正確ではありません。サードパーティのスピードテストよりも高速と表示されます。
HMA VPNのプライバシー保護・セキュリティ対策
HMA VPNのログなし方針は明白です。IPアドレス、ネット通信(閲覧したサイトやダウンロードしたファイル)、帯域の使用状況、タイムスタンプなどは記録されません。HMA VPNが記録するのはメールアドレスだけで、コミュニケーションのためだけに使用されます。

HMA VPNは5・9・14アイズ(監視情報の共有を合意した同盟)の加盟国であるイギリスに本社があります。しかし、サイバーセキュリティ企業VerSpriteによる独立監査で、HMA VPNがログなし方針を遵守していることが検証されていますから、英国当局がユーザーデータの引き渡しを要求したとしても、引き渡せるデータはありません。とは言え、透明性のため、HMA VPNには監査結果を公表してもらいたいですね(ExpressVPNやVyprVPN、TunnelBearは結果を公表しています)。
まとめると、HMA VPNのログなし方針は独立監査済みで、明白に分かりやすく書かれています。
HMA VPNの通信速度とパフォーマンス
HMA VPNの通信速度の平均値を割り出すため、全60か国以上のサーバーでスピードテストを実施しました。通信は94%も遅くなりましたが、私が住むルーマニアはもともとネット通信がとても速いのでそれほど遅く感じられませんでした。とても遠いサーバー(日本、オーストラリア、モンゴル)では大幅に遅くなりましたが、ルーマニアの国内サーバー、ヨーロッパやアメリカのサーバーも満足できるスピードでした。HMA VPNの速度をより正確に調べるため、アメリカの同僚にもスピードテストを行ってもらいました。その結果、速度は平均で37%低下し、業界平均を上回りました。
まず、普段の通信速度(ベースライン)を把握するため、VPNに接続していない状態でスピードテストを行いました。
次に、HMA VPNのクイック接続機能(Lightning Connect)でVPNサーバーに接続しました。この機能を使うと、位置情報をもとに最速のサーバーに自動接続されます。すると、ルーマニアではなく隣国ハンガリーのサーバーに接続され、速度は94%も低下してしまいました。サイトはすぐに表示され、HD動画のビデオも瞬時に再生されましたが、動画を4K画質に切り替えると再生するのに5秒かかり、早送りすると少しバッファしてしまいました。
また、ルーマニアのサーバーに手動接続したところ、ハンガリーのサーバーよりも速くなりました(Lightning Connectで最速のサーバーに接続されなかったということです)。ルーマニアのサーバーでは4K画質の動画もすぐに再生され、バッファなしで早送りできました。
次に、アメリカのVPNサーバーをテストした結果、速度は93%も低下しました。サイトやHD動画はすぐに読み込むことができましたが、動画を4K画質に切り替えると読み込みに5秒もかかり、何度もバッファしてしまいました。一方、IP電話(ネット通話)はフリーズしませんでした。
最後に、日本のサーバーに接続してスピードテストを行ったところ、通信は大幅に遅くなりました。サイトが表示されるのに5秒、HD・4K画質の動画が再生されるのに10秒かかり、かなり頻繁にバッファしました。ネット通話も接続が遅く、通話が途切れてしまうこともありました。
ルーマニアのネット通信はもともと非常に速いため、アメリカの同僚にもスピードテストを行ってもらいました。
彼はまず、ベースラインを把握するために、ローカルネットワークに接続した状態で通信速度を測定しました。
次に、同僚はLightning Connectでニューヨークのサーバーに接続しました。速度は15%低下しましたが、これはかなり良いでしょう。ネットサーフィン、トレント、動画の視聴、オンラインゲームをしても、VPNによる速度の低下は感じられなかったそうです。手動で近距離サーバーに接続したところ、3台のうち2台はLightening Connectで接続したサーバーより高速でしたが、速度差は5~7%程度でした(やはりLightening Connectの性能はあまり良くないようです)。
同僚がフランスのサーバーに接続したところ、速度は平均で14%低下し、近くのサーバーよりわずかに遅い程度でした。実際にインターネットを使ったところ、サイトが表示されるのに最大3秒、YouTubeが再生されるのに1~2秒かかり、少し遅いと感じたそうです。
最後に、一番遠いオーストラリアのサーバーに接続しました。同僚の場合、通信は71%低下しましたが、ネットサーフィン、動画の視聴、オンラインゲームなどはフランスのサーバーとほぼ同じだったと報告してくれました。
まとめると、同僚も私も、近くのサーバー(ルーマニアとアメリカ)に接続したときが一番速いことが分かりましたが、遠くのサーバーでも高速通信を保つことができました。なお、東アジアの遠距離サーバーでは速度が著しく低下し、クイック接続機能で最速のサーバーに接続されなかったのは残念です。
HMA VPNのサーバー・IPアドレス
HMA VPNは220か国以上、290か所以上に1,000台を超えるサーバーがあります。サーバー数は他社の方が多いですが(ExpressVPNは3,000台以上、CyberGhost VPNは7,400台以上)、HMA VPNは国数が最多です。そのため、世界中どこでも近くのサーバーに接続でき、高速通信が期待できます。
一部の国ではサーバーが設置されている都市が表示されますが、サーバーの負荷率(接続中のユーザー数)や待ち時間(通信がデバイスからサーバーに送信されるまでの時間)も表示されればさらに良いでしょう。このような情報があれば、最速のサーバーを見極めやすくなるからです。ちなみに、ProtonVPNではサーバーの負荷率が見られますし、Private Internet Accessは待ち時間を表示してくれます。
また、HMA VPNにはP2Pへの対応も強化して欲しいですね。P2P通信が許可しているのは、米国、英国、オランダ、フランス、ドイツ、チェコの6か国のサーバーだけです。日本では近くにP2Pサーバーがないので、ダウンロード速度が遅くなってしまうでしょう。なお、HMA VPNのP2P非対応サーバーではトレントをダウンロードできませんでした。HMA VPNのダウンロード速度はかなり速かったのですが(アメリカのP2Pサーバーでは18GBのファイルを25分でダウンロードできました)、トレントをダウンロードしたい場合は他社の方がおすすめです。ExpressVPNやPrivate Internet Accessは全サーバーがトレントに対応しており、高速です。
HMA VPNのストリーミング専用サーバーは米国、英国、ドイツに用意されています。しかし、米国と英国の調査チームがテストしたところ、ストリーミング専用サーバーを使ってもNetflixやAmazonプライムビデオ、Disney+は利用できませんでした。普通のサーバーでも動画配信サービスは利用できませんでした。
残念ながら、HMA VPNは専用IPアドレス(あなただけが利用できるIPアドレス)を提供していません。専用IPアドレスを取得したい場合、Private Internet AccessとCyberGhost VPNは格安で提供していますし、PrivateVPNなら無料でゲットできます。
まとめると、サーバー数は少なめですが、HMA VPNは世界各国にサーバーがあるので、近くのサーバーに接続して高速通信を楽しめるはずです。ストリーミング専用サーバーを使っても動画配信アプリは利用できませんが、6か国にP2P通信に対応したサーバーが用意されています。
HMA VPNでの動画の視聴とトレント
HMA VPNでBBC iPlayerは利用できますが、Netflix、Amazonプライムビデオ、Disney+、Huluにはアクセスできません。調査チームと協力してストリーミング専用サーバーをテストしたところ、主要な動画配信サービスでコンテンツを見ることはできませんでした。VRVやPandora Radio、Sony Crackleなど、知名度の低いサイトのブロックは解除できました。
動画の視聴におすすめのVPNをお探しの方にはExpressVPNがおすすめです。65個以上の動画配信サービスが利用できると主張していますし、圧倒的なスピードで快適に動画を楽しめます。

トレントの観点ではまあまあでしょう。米国、英国、チェコ、オランダ、フランス、ドイツのサーバーではP2P通信が許可されています。テストでは、ファイルをダウンロードするのに適したスピードで、主要なトレントクライアント(qBittorrent、uTorrent、Delugeなど)をすべて利用できました。しかし、より多くのピアに接続して通信を高速化する「ポートフォワーディング機能」はありません。
トレントにおすすめのVPNはExpressVPNとProtonVPNです。どちらも優秀なセキュリティ機能やプライバシー機能があり、多数のサーバーがトレントに対応しています。また、いつも安定した超高速通信です。
HMA VPNのP2Pサーバーに接続してファイルをダウンロードする前に、6か所のP2Pサーバーでデータ漏洩テストを行ったところ、データ漏洩は検出されませんでした。
まとめると、HMA VPNは動画の視聴には向きませんが、トレントにはまあまあ良いでしょう。NetflixやDisney+、Amazonプライムビデオは利用できませんでしたが、英国の同僚はBBC iPlayerにアクセスできました。また、6か所のサーバーしかP2P通信が許可されていませんが、HMA VPNは主要なトレントクライアントに対応しており、データを漏洩せず、ダウンロード速度は高速です。
HMA VPNでのネット規制の回避
HMA VPNはネット規制がある国では使えません。インターネットのファイアウォールを通過するための難読化ツールがないからです。
ネット規制が厳しい国では、ExpressVPNがおすすめです。確実にVPNブロックを回避できます。

HMA VPNのプランと料金
HMA VPNは、1か月、6か月、12か月、24か月、36か月プランから選べるほか、3つの法人向けプラン(HMA for Business)があります。個人プランでは最大10台のデバイスを接続でき、機能は全プラン共通です。
HMA VPNの1か月プランの料金は他社と同程度ですが、6か月、12か月、24か月プランは高めです。コスパが最高なのは、$2.99 / 月の36か月プランです。
HMA VPNの
HMA VPNの支払い方法は、クレジットカード、PayPal、Alipay、Giropay、Google Pay、Apple Payなど、20種類以上に対応しています。しかし、プライバシーを守りたい場合、仮想通貨で支払うことはできません。仮想通貨で支払えるVPNをお探しの方には、
HMA VPNは全プランが30日間返金保証付きです。
まとめると、HMA VPNは複数の料金プランがありますが、トップクラスのVPNより割高で、仮想通貨で支払うことはできません。しかし、HMA VPNは20種類以上の支払い方法に対応していますし、全プランが30日間返金保証の対象です。
HMA VPNの使いやすさ:モバイル・デスクトップアプリ
HMA VPNは、iOS、Android、Windows、macOS、Apple TV、Android TV向けのアプリを提供しています。ChromeとFirefoxのブラウザ拡張機能もありますが、無料プロキシであり、HMA VPNの有料サービスとは別物です。また、無料プロキシのプライバシー方針にはIPアドレスを記録すると書かれていますから、ブラウザ拡張機能は避けた方が良いでしょう(ExpressVPNとPrivate Internet Accessの拡張機能は安全で、ユーザーデータを記録しません)。
HMA VPNのアプリをインストールするのは簡単です。AndroidとiOSに1~2分で、Windows 10パソコンとMacBook Proに3~4分でインストールできました。
Android
HMA VPNのAndroidアプリはとても気に入りました。優れたデザインでナビゲーションしやすいでしょう。ワンクリック接続機能があり、サーバーを手動で選ぶのも簡単です。また、各設定に説明があります。
オリジナルキャラのロバは、サーバーに接続するたびに新しいデザインになります。国ごとに異なるデザインならさらにかわいいと思いますが。
スプリットトンネルが利用できるのはAndroidアプリだけです。追加機能として、IPシャッフル、IPリフレッシュ、完全なデータ漏洩対策、OpenVPNなどもあります。さらに、自動接続オプションでは、保護されていないWi-Fi、保護されているWi-Fi、モバイルデータでVPNサーバーに自動接続するよう設定できます。また、Wi-Fi脅威スキャン機能も気に入りました。VPNがオフになっているときもWi-Fiネットワークをスキャンし、脅威が検出された場合はVPNサーバーに自動接続されます。
しかし、HMA VPNのAndroidアプリにはキルスイッチがないのが残念です。HMA VPNによるとAndroidアプリにもキルスイッチがあるそうですが、ステップバイステップガイドを参照しても見つからず、カスタマーサポートにメールで質問しても回答は届きませんでした。Androidアプリにキルスイッチを搭載したVPNが欲しい場合、Private Internet Accessがおすすめです。また、HMA VPNのAndroidアプリはスピードテストを搭載していませんが、もともと結果が正確ではないので大した欠点ではありません。
まとめると、HMA VPNのAndroidアプリは良いでしょう。キルスイッチはありませんが、画面は分かりやすく、多機能で、楽しく利用できます。
iOS
HMA VPNのiOSアプリはAndroidアプリとほぼ同じです。デザインはそっくりで、サーバーに手動・自動で接続するのも簡単です。HMA VPNのiOSアプリはデータ漏洩をしっかり防止し、IPリフレッシュとIPシャッフル機能があります。また、Wi-Fiとモバイルネットワークで自動接続するよう設定できます。
iOSアプリでは、安全で高速なIKEv2/IPSecプロトコルが採用されています。Wi-Fi脅威スキャン機能、スプリットトンネル、キルスイッチは利用できませんが、iOSアプリにスプリットトンネルとキルスイッチを搭載しているVPNサービスはごくわずかです(Private Internet AccessはiOSアプリにキルスイッチがある数少ないVPNサービスの1つです)。
まとめると、HMA VPNより優れたiOS用VPNアプリはほかにもありますが、HMA VPNのiOSアプリも使いやすく、便利な機能が利用できます。
Windows・Mac(デスクトップアプリ)
HMA VPNのデスクトップアプリはモバイルアプリとよく似たデザインです。唯一の違いは、ホーム画面の左側にサイドパネルがあることでしょう。サイドパネルでは、スピードテストの実行、通信量の確認、キルスイッチや自動接続機能のオン・オフ切り替えなどができます。
サーバー接続はワンクリックで簡単で、手動で選ぶこともできます。アプリは操作しやすいデザインで、デスクトップアプリにもロバのオリジナルキャラが登場します(ちなみに、TunnelBearのデスクトップアプリには、クマのキャラクターが登場します。接続先の国の形をした帽子をかぶっているのがユニークです)。
デスクトップアプリにスプリットトンネル機能はありませんが、アプリ単位で設定できるキルスイッチがあります。ほかにも、データ漏洩防止機能、セキュアプロトコル(WindowsではOpenVPN、macOSではIKEv2/IPSec)、IPシャッフル・IPリフレッシュなどの機能が搭載されています。
まとめると、HMA VPNのデスクトップアプリは素晴らしいでしょう。スプリットトンネルは利用できませんが、便利なセキュリティ機能でWindowsとmacOSを守ることができます。
HMA VPNのアプリの使いやすさは?
HMA VPNのiOS、Android、Windows、macOS用アプリは使いやすく、日本語に対応しています。デスクトップアプリとモバイルアプリは違いもありますが、直感的に使いやすいデザインなので、スムーズに使いこなせるでしょう。
デスクトップアプリは多機能で、キルスイッチ、IPリフレッシュ、IPシャッフル、自動接続などが利用できます。Androidアプリも素晴らしいでしょう。機能はWindowsアプリとほぼ同じですが、スプリットトンネルも搭載されています。
HMA VPNのカスタマーサポート
HMA VPNのカスタマーサポートは本当に残念です。設定ガイドは役立ちましたが、よくある質問(FAQ)、トラブルシューティングガイド、コミュニティ掲示板は期待外れでした。また、HMA VPNのメールサポートは最悪でしたし、チャットで問い合わせることはできません。サポートの公式言語は英語ですが、日本語で問い合わせると自動翻訳ツールを使って対応してくれます。
HMA VPNのサポートガイド(ナレッジベース)はデバイスごとに整理されていて、複数の記事が用意されています。機能の説明や接続トラブルの解決方法などについて読むことができますが、日本語のガイドはありません。また、古い情報も掲載されており、トラブルシューティングガイドを読んでも解決できないことがあり、カスタマーサポートに問い合わせる羽目になりました。ExpressVPNやCyberGhost VPNではサポート記事を読むだけで解決できることがほとんどです。
コミュニティ掲示板はとても見やすく、簡単に質問を投稿できますが、あまり役立ちません。多くの場合、HMA VPNのサポート担当者は1日以内に返信してくれますが、回答が不完全だったり、「サポートチケットを作成しました」と回答したりすることがあるのです。これでは掲示板に質問を投稿する意味はありませんね。VyprVPNのコミュニティ掲示板では、必ず詳しい回答が届くのでとても役立ちます。
HMA VPNのメールサポートは本当に残念でした。メールで10回以上問い合わせたのですが、1回しか返信してもらえなかったのです。さらに、3日後に届いた回答は不完全で、役に立ちませんでした。Private Internet AccessやVyprVPNなどのトップクラスのVPNサービスは、2〜3時間でメールに詳しく答えてくれます。
HMA VPNはチャットサポートがあると主張していますが、利用できません。「ヘルプ」をクリックして、ボットにチャット担当者に質問したいとリクエストしても、チャット画面が開かなかったのです。メールサポートに問い合わせることもできますが、ほとんど対応してくれませんから、困ってしまいました。一方、ExpressVPNやPrivate Internet Access、CyberGhost VPNは24時間年中無休のチャットサポートがあり、気軽に質問でき、詳しく丁寧に対応してくれます。
まとめると、HMA VPNのカスタマーサポートはお粗末です。セットアップガイド、よくある質問、トラブルシューティング記事は充実していますが、コミュニティ掲示板はほとんど役に立ちませんし、メールサポートは対応が悪く、チャットで質問することはできません。
HMA VPNは2022年におすすめのVPNと言えるのでしょうか?
HMA VPNは安全で、アプリは使いやすく、210か国以上に1,000台を超えるサーバーが用意されています。しかし、安全にブラウジングしたりトレントをダウンロードしたりする以外にはおすすめしません。
セキュリティについて、HMA VPNはAES 256ビット暗号化、厳格なログなし方針(独立監査済み)、キルスイッチ、完全なデータ漏洩対策などで通信を守ってくれます。6か国にトレント専用サーバーがあり、スプリットトンネル(Androidのみ)、IPシャッフル(VPNセッション中にIPアドレスを変更してプライバシー保護を強化する機能)、トーア・オーバーVPNなどの追加機能もあります。
しかし、HMA VPNには重大な欠点もあります。パーフェクトフォワードシークレシーやRAMだけで動作するサーバーなどの高度なセキュリティ機能はありませんし、NetflixやAmazonプライムビデオなどの人気動画配信サービスも利用できません。また、クイック接続で最速のサーバーに接続されるとは限りません。ネット規制が厳しい国では利用できず、コストは他社より割高です。メールサポートは対応が悪く、チャットサポートが使えないのも残念です。
HMA VPNには最大10台のデバイスを接続でき、複数の料金プランがあります。全プランが30日間返金保証の対象です。
HMA VPNについてよくある質問
HMA VPNでNetflixは利用できますか?
いいえ。HMA VPNでNetflixを利用することはできません。HMA VPNはNetflix向けにストリーミング専用サーバーを用意していますが、当サイト独自の調査ではうまくいきませんでした(何回試しても、プロキシエラーが表示されたのです)。
HMA VPNでAmazonプライムビデオやHulu、HBO、Disney+などの人気動画配信サイトは利用できませんが、BBC iPlayerやVRV、Sony Crackle、Pandora Radioなど知名度の低いサイトにはアクセスできます。
Netflixなど主要な動画配信アプリに必ずアクセスできるVPNが必要な方には
HMA VPNは無料ですか?
いいえ。
なお、原則として無料VPNはおすすめしません。重要なセキュリティ機能がなかったり、速度が遅かったり、通信量が制限されていたり、アプリの不具合が多かったりするからです。どうしても無料VPNが欲しい場合、
HMA VPNは日本でトレントをダウンロードするのに役立ちますか?
HMA VPNはP2Pに対応していますが、トレントにおすすめのVPNはほかにもあります。通信は比較的高速で、人気のトレントクライアントが利用できますが、6か国のサーバーでしかトレントが許可されていません。近くにトレント向けサーバーがない場合、ダウンロードするのに時間がかかってしまうでしょう。
トレントに一番おすすめのVPNは
HMA VPNはログを記録しますか?
いいえ。HMA VPNはIPアドレスやネット通信(閲覧したサイトやダウンロードしたファイル)を記録しません。また、ログなし方針を遵守していることが独立監査によって実証されています。
ただ、HMA VPNは監査結果を公表していないのが残念です(